33.死亡退職金と弔慰金の取扱い
Q.当社の役員が亡くなりましたので、遺族の方に退職金を支給しますが、退職金と弔慰金を区分した方が税務上有利になると聞きました。どのような取扱いになっているのですか。
P.法人税、相続税、所得税においてそれぞれ、次のように取り扱われます。
1.法人税の取扱い
法人税法では、社会通念上相当と認められる弔慰金及び適正額と認められる退職金は損金の額に算入されますが、退職金のうち不相当に高額な部分の金額は損金不算入となります。
なお、社会通念上相当と認められる弔慰金の額については、特に定めはありませんが、相続税法に規定されている(イ)業務上の死亡は死亡時の賞与以外の普通給与の3年分相当額まで、(ロ)業務外の死亡は死亡時の普通給与の6か月分相当額までを目途に支給するといいでしょう。

2.相続税の取扱い
相続税法では、次のように取り扱われ、退職金は課税対象になりますが、弔慰金については、(イ)業務上の死亡は死亡時の賞与以外の普通給与の3年分相当額まで、(ロ)業務外の死亡は死亡時の普通給与の6か月分相当額までが非課税になります。

また、所得税法では、次のように取り扱われ、社会通念上相当な弔慰金は非課税になりますが、退職金については原則として課税対象となります。

このように、弔慰金は原則として課税対象になりませんので、弔慰金を支給する場合には、退職金の中に含めず明確に区分して支給する方が、税務上は有利になります。