11.使用人兼務役員に対する給与の取扱い
Q.息子は役員(営業部長)ですが、使用人と同じ仕事をしています。このような息子に対する給与は、どのように扱われますか。
P.役員部分の給与の取扱いは役員給与と同じです。使用人部分の賞与は、他の使用人と同じ時期に支給しないと損金の額に算入できません。
1.使用人兼務役員とは
お尋ねのように、役員のうち、部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事する役員を使用人兼務役員といいます。これらの者に対する給与(給与とは、報酬、賞与、退職金を合わせたものをいいます)は、次のように取り扱われることとなっています。
2.使用人兼務役員に対する給与
使用人兼務役員に対する給与は、役員としての職務に対する給与と使用人としての職務に対する給与に分けて取扱われます。役員としての職務に対する給与は、原則として損金不算入となりますが、@定時同額給与、A事前届出した臨時的給与、B一定の要件を満たす利益連動給与については、職務に対する対価として不相当に高額な部分の金額を除き、損金の額に算入されることになります。また、使用人としての職務に対する給与については、役員のように損金算入要件はありませんが、役員給与と同様に給与のうち不相当に高額な部分の金額は損金の額に算入することができません。なお、この場合の不相当に高額な部分の金額とは、次の金額の合計額をいい、使用人としての職務に対する賞与については、他の使用人に対する賞与と同じ時期に支給しなければ損金に算入できないこととなっています。
2.小規模会社の特例
なお、会社の事業内容が単純で、使用人も少ないという会社にあっては、職制上の地位を定めていないという場合もあるかと思いますが、そのような場合であっても、その役員が他の使用人と同様の職務に従事しているときは、使用人兼務役員として上記と同じ取扱いをすることができます。
ただし、会社の株式を一定数以上保有しているため使用人兼務役員になれない役員は除かれます。