25.役員から土地を譲り受ける場合
Q.役員から土地を譲り受けようと思っています。税務上、何か注意する点はありますか。
P.適正な時価で譲り受けないと、みなし譲渡や役員賞与などの課税関係が生じます。
1.売主が役員、買主が会社の場合の注意点
個人と同族会社で土地等の譲渡をする場合は、譲渡対価が適正な価額(時価)かどうかに注意しなければなりません。
譲渡対価が時価である場合は問題ありません(通常の課税)が、譲渡対価と時価に差があるときは、次のような課税関係が生じますので注意してください。
2.譲渡対価が時価より低い場合
譲渡対価が時価より低い場合は、次のような課税関係になります。
@売主役員に対する課税
イ.譲渡対価が時価の2分の1未満の場合
譲渡対価が時価の2分の1未満であるときは、時価により譲渡があったものとみなされて、譲渡所得税が課税されます。これをみなし譲渡といい ます。
ロ.譲渡対価が時価の2分の1以上であるとき
譲渡対価が時価の2分の1以上であるときは、その譲渡対価が譲渡収入金額となります。
A買主会社に対する課税
譲渡対価と時価との差額は、受贈益(益金算入)として課税されることとなります。
3.譲渡対価が時価より高い場合
譲渡対価が時価より高い場合は、次のような課税関係になります。
@売主役員に対する課税
譲渡対価が時価を超える場合は、その超える部分は会社からの贈与となり、役員の給与(賞与)として課税されます。
A買主会社に対する課税
譲渡対価と時価との差額は、役員に対する給与(賞与)となりますので、その内容を事前に税務署長に届出していない限り、損金不算入となります。
4.時価の算定方法
なお、時価の算定方法には、いろいろありますが、裁判により認められた公示価格比準倍率法という方法を用いることもできます。
比較対象地の公示価格
────────── ×時点修正率×評価対象地路線価=時価
比較対象地の路線価
時点修正率は次の算式で求めます。