26.役員に土地を貸し付ける場合
Q.当社の遊休土地を社長に貸そうと思っています。地代も権利金もとらないつもりですが、税務上問題ありますか。
P.無償返還の届出、又は相当の地代を受け取らない限り、原則として借地権課税が行われます。
1.借地権課税の取扱い
会社が、その所有する土地を賃貸する場合には、借地権課税の問題が発生しますが、その取扱いは、次のケースのように権利金の額や地代の額によって違うこととされています。
@通常の権利金の授受がある場合
A通常の権利金に満たない権利金の授受があり、相当の地代の授受があるときBAと同じ場合で相当の地代の授受がないとき
C権利金の授受が全くない場合で、相当の地代の授受があるとき
DCと同じ場合で、無償返還の届出をしているとき
ECと同じ場合で、相当の地代の支払も無償返還の届出もしていないとき
ご質問の場合は、地代も権利金も授受しないとのことですから、DもしくはEの取扱いになります。
2.権利金の授受が全くない場合で、無償返還の届出をしているとき(Dの取扱い)
法人地主が、借地権の設定によって土地を他人に使用させる場合に、通常の権利金の授受がないときは、原則として権利金の認定課税の問題が生じますが、無償返還の届出書を所轄税務署長に提出しているときは、権利金の認定課税は行われないこととされています。(ただし、相当の地代と実際の地代の差額については、地代の認定が行われます。)
3.権利金の授受が全くない場合で、相当の地代の支払も無償返還の届出もしていないとき(Eの取扱い)
このような場合には、法人地主から借地人に対して借地権相当額の贈与(無償譲渡)があったものとして認定課税が行われます。そしてまた、この場合の認定課税された金額は、社長に対する給与(賞与)として取り扱われますので、その内容を事前に税務署長に届出していない限り、その金額は全額損金不算入となります。
ただし、権利金の授受をしない場合であっても、その土地の使用目的が単に物品置場、駐車場等として土地を更地のまま使用するなど、その土地の使用が通常権利金の授受を伴わないものである場合には、権利金の認定課税は行われません。